• 城戸祐治

かんぽ生命の不祥事


梅雨が明けたと思ったら、この猛暑。本当にどうなっているのでしょうか?

日本は温帯気候だったはずなのに。旅行で訪日の外国人は「想定外」のこの暑さに、びっくりされていることでしょう。オリンピックの開催も大丈夫なのか?と気にしてしまうところです。

さて想定外といえば、これも契約者にとってはそうだったのかもしれません。

残念なことに6月にかんぽ生命による保険商品の不正な販売が明るみに出ました。中には保険の乗り換えと言っておきながら一定期間保険料を二重払いさせていたケースもあったようで、7月には同社の全ての保険契約に不正な契約がなかったかどうかを見直すという事態に追い込まれました。原因は無理な契約締結で過剰なノルマが誘因とされています。

話は30年ほど前、私が銀行員として社会に出た頃に遡ります。

日本の高度成長の最後期でした。銀行の商品はどこも一律で、営業マンが差をつけることが出来るのはどれだけ顧客と親しくなるか、が一つのポイントでした。さすがに「華麗なる一族」のように農家の田植えまで手伝うようなことはなかったのですが、それでも大口顧客の犬の散歩や買い物の運転手は経験しました。初めて営業に出た頃、ノルマを大幅超過して達成(金融商品ではなくクレジットカードでしたが)して表彰された先輩にコツを伺うと、要はそうやって親しくなったお客様に必要はないが契約して頂く、それが王道だと熱弁をふるっておられたことを記憶しております。

こんな無茶な営業が許されたのは高度成長期の話。「預金金利は十分高金利」「一時的に下がることはあっても翌年には上昇した株価」、この2つで十分金融資産が増加して“なんとなく”加入していればよかった生命保険です。今でこそ“それなりの”手続きを踏んで契約して頂きますが、当時はとにかく“情”に訴えて契約してもらうことが推奨、いえ、それしかなかったと言っておきます。過去の話かと思っていたら、とある地銀勤務の知人は、目標達成にはどれだけ無理を言える先を作っておくか、が最重要だと未だに言って憚りません。

金融商品販売法により金融商品の販売には、一定のルールが課せられるようになってからすでに20年近くたちますが、結局不祥事は減っていません。商品内容をきちんと説明して納得して頂いて契約するというこの法律の趣旨とかけ離れて実効性がないのは、誇張ではなく商品の本質とは関係ないことを拠りどころにして“ノルマ”を達成したという成功体験を持った方々が各金融機関の要職に就いているからで、恐らく今後も当分の間は同じようなことが繰り返されるのではないかと私は考えています。先のかんぽ生命では“ノルマ”廃止と言われていますがダメと言われれば“目標”でも“目途”でもなんでもよく、そう簡単にはなくなることはないでしょう。

我々はどうすればよいか?金融機関の窓口で勧められる商品は買わないことです。知人や友人にそういった方がおられる場合は大変お気の毒なのですが、付き合いで勧められたものを買うことは絶対に止めておきましょう。どういったものがご自身にふさわしいか?

迷ったら特定の金融機関に属さない、ファイナンシャルプランナーにご相談くださいね。勿論私もその一人。喜んでお手伝いさせていただきます。


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