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リスクイベントと株価

■ 今年1月~2月の日経平均株価の動き 景気判断の先行指数の一つである日経平均株価を見ると、20年の年明け早々イランの要人をアメリカ軍が殺害し中東情勢が一気に緊迫化、さらには中国で新型のコロナウイルス感染症が発覚して世界的に広がりを見せている、ということで大きな値動きを見せていました。

この3月上旬現在では、米国のニューヨークダウ平均株価やS&P500、他 、世界各国の株価も大きく値を下げています。中東情勢の緊迫化や新型ウイルス発生といった生活や、金融市場に悪い影響を起こす出来事を「リスクイベント」と言います。

上の表で日経平均株価を例にもう少し細かく見ると、1月早々は中東情勢の緊迫化が報じられていったん値を下げましたが10日ほどで“落ち着いた”と報道されて値を戻し、月末頃コロナウイルスの中国国内での拡大でまた値を下げ、2月中旬に中国国内での患者数の伸び率の鈍化でまたまた値を戻したにも拘らず、2月末は世界的な感染拡大で今年一番の安値を更新しました、とされています。

参考までに前年、つまり2018年から19年の同じ日の値動きも載せましたが、今年の変動が大きいことがお分かり頂けると思います。

■ 最近の主な日経平均株価下落

①リーマンショック 07年9月15日のリーマンブラザーズという米国大手の証券会社破産に端を発した景後退を、リーマンショックと言います。

その年の8月28日に12,768.25円であった日経平均は10月28日に7,621.92円まで値を下げ、さらにその後ズルズルと翌年3月15日に7,173.10円になるまで値下がりしました。

②東日本大震災 東日本大震災の時は11年3月11日金曜日の閉場直前に発生したため大きな変動はなく(10,254.43円)、翌14日月曜日も様子見であったのが15日火曜日になって8,605.15円まで一気に急落しました。この時も11月25日に8,160.10円まで下がって、ようやく上向きになりました。

■ それでも経済は発展する 次表は私が就職した1987年から5年ごと、昨年末までの32年間の世界各国の代表的な平均株価指数=アメリカ(ダウ)、ドイツ(DAX)、イギリ(FTSE100)、香港(HSI)、日経平均株価の推移です。

この間、例えばアメリカのダウ平均株価はリーマンショックで2009年3月9日に6516ドルまで落ち込んだりして、上下はありますが、アメリカ経済が発展しているおかげでこの32年で実に15倍近い上昇です。ドイツ香港も同じく10倍以上。イギリスでも4倍以上です。残念ながら日本は1.1倍程度と大変寂しいのですが、上述のリーマンショックの時や、2002年の終値からすれば今は2.5倍以上になっています。

世界が発展している限り、株式市場も上昇しているのがわかります。

■ 今は大きく変動する時期 今現在(2020年3月上旬)のように金融市場が大きく変動する時というのは、投機家にとっては実は稼ぎ時ではあるのですが、一般的にはそんなことをする時間と手間をかけられる人は限られますし、そんなことをしていては本業の仕事に身が入りませんのでお奨めできません。

確かに今は大変な時期になってしまい、特に投資をされている方は不安にかられるかと思いますが、株式にしても何にしても値上がりする時もあれば値下がりする時もあります。

今回は暫くは下落傾向が続くかも知れませんが、世界はこれまで何度も困難を克服し、発展してきています。

まずは感染拡大をさせないために自分が出来ることをする。そう考えています。


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